アイディアと責任


桜の季節の乙川

桜の季節の乙川

基本的に電車通勤ですので、ほぼ毎日、(帰りは)康生のお店から乙川沿いを歩き、明代橋を通って東岡崎駅へと向かいます。

私は明代橋の上から岡崎城方向を見る夜景が大好きです。

風がなく、川が静かな夜には、岡崎城周辺の灯りが殿橋の下に写ってとてもキレイでした。

桜の季節は、ライトアップされた桜とビルの灯りが乙川に写り、とても幻想的で素敵な景色でした。

 

 

そんな乙川の、明代橋と殿橋の間に、現在、新たな橋を作っています。

 

橋を作っている乙川

橋を作っている乙川

明代橋から岡崎城方面を見た時の、乙川が主役の夜景はもう見られなくなりました。乙川に写るビルの灯りは、新しい橋が隠してしまいますし、当然、橋の分だけ川が見える範囲も少なくなります。川に限らず、海も山も、その大きさや広さには、自然のエネルギーを視覚的に伝える力があります。その力を少なからず弱めてしまうわけですから、それを補う、とても良いアイディアがあって、今、新しい橋を作っているのだと思います。ですから、新しい橋が出来上がった時には、今の私の、このガッカリは消えてなくなることでしょう。まさか、景色がこうなることを知りませんでした、ということはないでしょうから。

この計画を進めた人たちは、朝も昼も夜もこの辺りへと赴き、川を見て、景色を見て、人を見て、アイディアを考えたのだと思います。だから、景色のことも知っているでしょうし、例えば、夜、街灯が少なくて真っ暗な乙川沿いの道路を女の子が一人でウォーキングしていたり、犬を散歩させていることも知っているでしょう。その上で考え出されたアイディアは、岡崎市民の喜びを増幅させ、不安を消し去る、素晴らしいアイディアに違いないと信じています。

 

岡崎グランプリの企画を考える時、気をつけていることは「思いついたアイディアを分析すること」です。

例えば、思いついたアイディアを実行した場合、面白いか、誰がどう思うか、どれだけの影響力があるか、そのアイディアに対してどの人が協力してくれるだろうか、どれだけの人が協力してくれるだろうか、そして、どれだけの人に楽しんでもらえるだろうか、などをセットで考えます。それは、失敗が怖いからということもありますが、そうすることが何かを実行する際に必要とされる責任だと思っているからです。お客様に対する責任、中嶋兄弟やオカザえもんを含めた出演者に対する責任、岡崎市に対する責任、モータースポーツに対する責任、協力者に対する責任です。その責任の所在と誠意を見せるために、岡崎グランプリ実行委員会を立ち上げ、名前を出し、顔を出しました。

 

誰かがYESと言えば、それに対してどこかで誰かがNOと言います。

私は、誰かがYESと言ったら、それに対して頑なにNOとしか言わない人間ではありません。

今は、乙川の新しい橋に対して、不安と不満が多くありますが、完成した橋を見た時に「ああ、これはこれでYESだな」と思えるような素敵な橋が出来上がることを期待して待ちます。